イクメンコラム 「声が大きいうちの子を見て思ったこと」

まず初めに、これは子育て歴約3年ぽっちの私が子育てのことを自分なりに一生懸命考え、妻と一緒に子育てセミナー出たり、妻が読んだ本の内容を教えてもらったり(自分では読まない)、妻と一緒に考えた末の個人的な見解や、わが家のうちの子で上手くいったり、いかなかったりした、と言う話です。

私は専門家ではないので、必ずしも正解ではないとも思いますし、すべての家、お子さんに必ずしも適用できるものではないとも思います。でも、悩んでいるパパ、ママ、お子さんの参考に少しでもなれば幸いです。

前置きが長くなりましたが、お察しの通り、うちの子は声が大きいです。男の子2人兄弟の長男、もうすぐ3歳。走り回ったり、飛び回ったり、転げまわったりするのが大好きで力が有り余っている3歳児。

そんなんだからか、声も大きいです。歌を歌うとどんどんボリュームが大きくなっていきます。好きも嫌いもテンションが上がると大きな声で言います。

私も妻も人と話すと、聞き返されることが多いくらい声が小さい方なのですが、どこからそんな遺伝子が流れてきたのか。

現在は諸事情で妻の実家に住まわせて頂いているのですが、お家はテレビも音楽も普段ついていないのでとても静か。そこでうちの子がいきなり「ゆぅーりかごぉーのうーたがぁー!!」とか歌いだすと、びっくりされたり、耳を塞いで露骨に嫌な顔をされたりします。

日本では特によそ様にご迷惑をかけていけない、という観点から、公共の場で大きな声はタブーですよね。子どもに「しぃー」とするのが常のご家庭もあるかと思います。

子どもが人に迷惑をかけないように、「大きな声はダメ」と教える事もあるかもしれません。

しかし、私は果たして本当に「大きな声はダメ」なのだろうか、疑問に思いました。

私自身は小さいころから声が小さいです。大人になっても声が小さく、妻に「え?」って聞き返されることも多い。飲み会などの席で端っこの席に座ろうものなら、声が届かず会話に入れません。会議などでも私の発言はなぜか割り込まれる率が高いです。

小さい声でたくさん損をしてきた私としては声が大きいわが子はなんだかうらやましいです。大きい声は大きい声なりに損することもあるのかもしれないけど、きっと大きい声だからできることもたくさんある。

だから、「大きい声がダメ」なのではない、のだと私は思います。それはその子の特性であって、良いも悪いもありません。大きな声を良くも使えるし、悪くも使える、要は使い方次第。

そこで、私は声が大きいわが子に正しい使い方を教えるためにいくつか作戦を立てました。わが子にはある程度の効果があったのでご紹介します。

1「しぃー」は使わない

大きな声に対して人差し指を唇に当てて「しぃー」と音を発することで「静かにしてください」というメッセージを送る慣習は世界中で見られますが、これが子どもに何も言わずに伝わるかは甚だ疑問です。子どもが感じるのはただ「なんか怒られてるっぽい」という漠然とした不安だけ。これでやめたとしても理解でもコミュニケーションではなく精神的プレッシャーからでしょう。これは健全なコミュニケーションではありません。

2大きな声に大きな声で返さない

子どもが「ぎゃー!!」と大声で騒いでいると「うるさい!静かにしなさい!」とまたこちらも返したくなります。これは人間の衝動でしょう。しかし、子どもの大きな声を出したい、という衝動にこちらも大きな声で制したい、という衝動で答える親の姿を見て何を学ぶでしょうか?子どもは親の言葉以上に親の姿を見ています。「うっ」と衝動をこらえ、むしろ静かなささやき声で返しましょう。真似して覚える子どもはささやき声で返してくれます。

3いつどこで大きな声を出すか教える

うちの子が良く大きな声を出したくなるタイミングの一つに食事中があります。食卓で大きな声はこっちも辛いし、その習慣がついてしまうと、外食もし辛い。でも、そこでただ単に「大きな声はダメ」と教えるのではなく、いつどこで大きな声を出すか、TPOを教えます。わが家では庭と二階の子ども部屋を大きな声を出していい場所と指定しています。なので、大きな声になったら「大きな声出したいの?なら二階に行っていいよ。」と小さな声で伝えます。大きな声で歌っていたら「歌いたいの?小さな声で歌っていいよ。」と伝えます。場所を移動できない時は「今は小さい声の時間だよ。これが終わったら外に出て大きな声出していいよ。」と時間と場所を指定します。「大きな声はダメ」と禁止事項を伝えるのではなく、どこで何をしていいのか、許可と選択肢を与えることで、子どもに決定権をあげます。必ずしも、こう伝えれば言うことを聞いてくれるわけではありませんが、毎日禁止されるのか、許可と選択肢を与えられるかで、精神的負担に大きな差が出るはずです。

4大きな声を出し切らせる

うちの子が大きな声を出したいタイミングのもう一つにお風呂後があります。一日も終わりに近づいて疲れているのもあるのでしょう、なかなか話は聞いてもらえません。そこで、思い切って許可を与えることにしました。「大きい声を出したいんだね。お父さんは耳が痛くなるので一旦部屋出るね。好きなだけ大きな声出していいよ。小さな声を出す準備ができたら呼んでね。」そうすると長くて2~3分大きな声で「わぁ~!!」と言ってます。そして気が済むと「ぱぱ~じゅんびできた。」と言って出てきます。その後は寝るまで叫ぶことはほとんどありません。

究極的には親は子どもに何を知ってほしいか、なのだと思います。子どもに「お前はうるさい。静かにしてろ。」と伝えたいのか、「そのままのきみが大好きだよ。」と伝えたいのか、どちらでしょうか?

私は声が人の何倍も大きいわが子がいつの日か大きな声で誰かに「大好きだ!」って言ったり、誰かのために「助けてください!」と言ったりできる、そんな人になったらいいな、と願っています。