パパだって愛情ホルモン出るもん ~父性の科学~

 

 

子育てしているお父さん、「やっぱり母親には敵わないな~」「どうせママじゃないと泣き止まないんだから、僕いらないよね?」って、言ったこと、思ったことありませんか?

 

母と子の見えない絆には出産を経験していないし、母乳も出ない男では敵わない、そう言われてきました。また、この見えない絆を科学的に解明し「オキシトシン」という通称愛情ホルモンが出産時、授乳時に母親と子どもから出ていることが強い結びつきがあることが分かっています。

 

 

 

 

ですが、実は、父親もオキシトシンが出ているって知っていましたか?

 

オランダのアムステルダム自由大学で行動科学の研究をしているマリアン・バケルマンス-クラネンブルフ教授の研究によると「子どもとより積極的に関わっている父親は、関りが少ない父親と比べて、子どもと遊んだ後のオキシトシンレベルが多い」ことが判明しました。

(“fathers who play in a more active way with their children have increased levels of oxytocin after playing compared to those who are less actively involved.”)

 

またマリアン教授は「オキシトシンを嗅いだ後の方が父親は子どもとより刺激のある遊びをするようになった。つまり、オキシトシンは父親の子育てに関係する可能性があるということです。」と、オキシトシンが父親の行動に作用する傾向も観察したことを明らかにした。

(“We saw that the fathers took part in more stimulating play with their toddlers after they had sniffed oxytocin. So it suggests to us that oxytocin plays a role in fathering.”)

 

「ホルモンが行動を制御しているとも言えるが、行動もまたホルモンの分泌を制御しているようでもある。」と教授は行動とホルモンの相互関係の可能性について説明した。

(“We could say the hormones are controlling the behaviour, but the behaviour also appears to be controlling the release of the hormones.”)

 

 

 

(引用元:https://ec.europa.eu/research-and-innovation/en/horizon-magazine/new-fathers-may-undergo-hormonal-neural-and-behavioural-changes

 

 

母と子の見えない絆ばかり日本社会では注目されていましたが、誰も見ていなかっただけで、実は父と子にも同じ見えない絆があるということが科学的に解明されてきています。

 

日本でも父親の親性脳発達について研究が成されています。

 

京都大学大学院教育学研究科の明和政子教授、DIAZ-ROJAS(Françoise PD 研究員、麻布大学の菊水健史教授らの共同研究グループが発表した研究によると

 

父親もパートナーの妊娠初期から「親性」脳が発達していて、脳はお父さんになる準備を始めていることが分かりました。

 

また、「親性脳の活動パターンには大きな個人差がみられ、その個人差は、(「育児に対するイメージ」「一週間あたりの平均勤務時間」「最近の育児経験(乳幼児との交流経験)の有無といった、ある特定の行動と関連していることが明らかとなりました」

 

(参照引用:https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2020-11/妊娠初期から発達する父親の「親性」脳の活動を確認-b7582789279b2ea54d4925af5a1c5e42.pdf)

 

 

 

 

私たちが思っている以上に、あるいは社会が求める以上に、実は父親の肉体、脳は妊娠、出産、育児ができるように作られているようです。

 

あとは、父親がその脳をどう活用するかにかかっています。

どれだけ脳が準備できていても、実際に妊娠中にパートナーと相談しなかったり、子どもと関わる時間を持たなければ意味がありません。

 

社会や文化、経験は父親の役割について様々なことを要求してきますが、あなたの妻、あなたの子ども、そしてあなたの脳は、あなたに良い父親となることを求めています。

 

 

 

 

プレパパは今のうちに育児に関する準備を始めましょう。親戚や友人の子どもなどで、小さな子どもと関わることに慣れておきましょう。そうすることで親性脳が刺激されます。

 

すでにお子さんがいるパパは少しずつ子どもと触れ合う時間を増やしましょう。抱っこやハグなど毎日欠かさずすることで、始めは嫌がられることがあっても、オキシトシンは親子両方に出るものです。スキンシップで信頼関係を少しずつ構築していくことができます。

 

今からでも遅くありません。父と子の見えない絆を結ぶことができます。